房総編
高校一年のコバルトラインに懲りて自転車を新調しました。
新しい愛車はナショナルのスポルティフ。
27インチでタイヤが少し細いタイプです。
とっても嬉しかったです。
房総半島に今度の旅は決めました。
やはり野宿で歩く予定です。
春休みになり一泊目は柏の父の知り合いの家に泊めて貰うようにしました。
山口さんと言うのですが、炭坑で父の俳句の友達で私も小さい頃から良く言って遊んでいました。
炭坑が閉山になって柏に移ったのです。
また、前と同じようにテントを積んで出掛けました。
風が取っても強くて西風でした。
6号線を南下していきます。町中は良かったですが水戸を過ぎた辺りから砂埃が凄くなりました。
春一番が吹き荒れて関東ローム層の赤土が時折空を覆い尽くし前が見えなくなるほど
です。目を開けると目に砂が入るので薄目を開けて走っていくようです。
茨城町まで来て食堂に入りました。
食堂の叔母さんが私を見て大変だと思ったのでしょう。
「お客さんの忘れ物だけどこれをあげるから」と行ってサングラスを私に差し出しました。
その気持ちがとっても嬉しかったです。
食事を終えお礼を言ってまた走り出しました。
一度止まると、横風でガードレールに張り付けられてなかなか思うように走り出せません。
走るときは横風に対抗するため身体を斜めにして走りました。
でも、大型トラックが来ると急に風が来なくなるのでセンターラインの方にふらふらと寄ってしまいとっても危ない感じでした。
それでも、なんとか柏の知り合いの家まで着きました。
洗面所に行って顔を洗うと下にびっしりと砂が貯まりあらためて今日の砂埃の凄さを感じました。
二日目山口さんに見送られて内房を走ります。
特に面白いところもありませんがお花畑を見たりしながら走っていきます。
植物園に寄ったりして房総半島の先端の館山に着いたときは夕方近くになってしまいました。
海辺で少し草が生い茂っているところにテントを張りました。
ふと見ると太陽が海に沈んでいきます。
海に日が沈むのが太平洋で見られるとは思いませんでした。
東京湾に沈む夕日を見て感動してしまいました。
テントを張った場所はキャンプ場でもなんでも無いので廻りに誰もいません。
風が吹くとがさがさと人が歩いているような、音がします。
テントを張って気持ちが悪いと思ったのは後にも先にも初めてです。
気にしないようにして眠ることにしました。
三日目海岸線を見ながら走ります。
鴨川シーワールドについてイルカのショーを見たりして出てきました。
バイクでツーリングしている人がいて話しかけてきました。
750でツーリングしている大学生でした。
これから60キロ走ろうと思うと言ったら「バイクでももう走りたくないのによく走るな」と感心されてしまいました。
記念に一緒に写真を撮って別れました。
何処でどう間違ったか柏の方に戻ってしまいました。
気が付いたときには目的の銚子からかなり離れてしまったのでそのまま山口さんの家に戻ることにしました。
山口さんは驚きながらも温かく迎えてくれました。
次の日来る時とはうって変わって風もなく穏やかな日差しの中を6号線を北上して家に戻りました。
走行距離620キロ
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